時間をつなぐもの

2014.04.15

少し迷ったのですが、パパピニョルの床板は古いものを削って使うことにしました。

ここでは40年以上前からせともの屋さんを営んでおり、ヒノキの床板はおじいさんが大事に手入れをしながら使い続けていたとのこと。

張替えの素材をあれこれと検討していたものの、しっくりくるものがなく、それならいっそこの床板を再利用してはどうかということになりました。

しばらく使っていない状態が続いていたこともあり、どのくらい削るといい表情が現われるものなのか、それに耐えるだけのしっかりした厚みがあるのか………

このような場合、施工者にとって、普通は新しくやり変えるほうが簡単です。

程度を確認しながら、細かいところは手を入れつつ何段階かで削り、仕上げには木の表情をいかしながら保護してくれるオイルやワックスで仕上げていくので、結構な手間がかかってしまうのです。

それでも、使い込んだ無垢の床板は、色合いも深く、手触りも丸くやさしい、新しいものにはない表情をもっています。

店舗の入口に選んだアンティークの扉にも馴染んでいます。

 

古いものを再生して使ったり、アンティークのものを取り入れたりすることを、特別なこととして考えないようにしています。

年代を揃えたり、無理に樹種や色を合わせなくても、居心地よくおさまるとき、

それは、素材のもつ力の具合があっているのかもしれない。

新しいものと古いものが気持ちよく共存して、また新しい時間を刻みはじめるような、そんな空間を作りたいと思います。

古い床

PPP/床・before

再生した床

床・after